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河内保二主宰の経済工学リサーチの発信情報

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客業生産の時代幕開け

大量生産の代名詞であった自動車業界にも「本格的多品種少量生産の時代が来た」と指摘する声もあると報じられている。
自動車業界では同じモデルを大量生産することで生産コストを削減し、価格を下げ、販売台数を増やすマス戦略が、1908年ヘンリー・フォードが開発した大衆車「T型フォード」以来、20世紀を通じてとられてきた。
しかし、消費者の好みが多様化し、車も多品種少量生産の時代に変わりつつあるといわれ、その生産にCAD/CAMなどのコンピュータシステムの活用、生産管理にf-MRPの投入などで、リードタイム短縮、多車種生産に同じラインで対応できるようにもなっている。車生産にジャスト・イン・タイムのコンセプトが置かれ、クィック・レスポンスが認知されるようになり、21世紀になってそれらの上に消費の多様化に応じる生産のマルチ・レスポンスが求められるようになっている。 かくして、生産は顧客本位の客業生産へと変わってゆくと論じている。こうした生産の変遷については拙新著「チェックリストによる 少量・短納期生産 モデル縫製工場 実践ガイド」(繊維流通研究会刊)に詳述している。


◆◆◆造語「客業生産」への経過年表◆◆◆
1986年   次代社会の生産論において「共感生産のすすめ」を論じた。
1988年   JUKIマガジンにおいて「共感生産」と「個産」を論じた。
1988年11月  JUKIマガジンにおいて「供業生産」として「多高短少生産」を共に造語して論じた。
2002年5月  アパレルビジネスマガジンにおいて「客業生産」と造語して論じた。
2004年5月  著書「チェックリストによる 少量・短納期生産 モデル縫製工場 実践ガイド」において「客業生産」を"Ordustry"と英造語して詳論した。

客業生産について、2004年12月19日開催の日本繊維製品消費科学会主催「第10回ファッション造形学セミナー」(会場は文化女子大学)で「最近のアパレル生産システムの傾向」の演題で講演する中で取り上げて論じさせて頂いた。また、3月8日には岐阜市での繊維技術講演会(主催:岐阜県製品技術研究所、共催:岐阜ファッション産業連合会、繊維機械学会東海支部、雇用・能力開発機構岐阜センター)に「2005国内製造業の展望と新しい生産システム」と題して講演した中で、「客業生産」について論じさせて頂いた。この講演の感想として、主催者側の研究所所長より次のような礼状を頂いた。…「日々の業務に大変参考になり、非常にわかりやすかった」との感想が多くの参加者から寄せられ、多くの企業が新しい生産の在り方に興味を持つことができました。所期の目的を達成することができ、充分な成果を収めたものと確信致しております。これもひとえに河内先生のご見識の賜物と深く感謝する次第です…。また、主催者学会支部長から礼状を頂いた。…おかげさまで、所期の目的を達することができましたことを御報告申し上げますとともに、懇切丁寧な御指導に対しまして、深く感謝する次第です…。過分の礼状に恐縮の至りであるが、この感想からも伺えるように新しい造語の「客業生産」が用語として認知されるようにも感じられた。


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